時代の変遷によって形態やデザインを変えていく性質を持つ伝統工芸は、伝統という枠組みを作ることでその性質を保護し技術や歴史を継承していきました。
しかしながら、その性質を時代の変遷により大きくその形を変えようとする動きもまた伝統工芸の性質といえます。
紅型の色彩とデザイン構成さらに私の作品群をグラフィティの要素とともに壁面落とし込む紅型壁画。それは既に染色という行為から離れ伝統工芸としての本質を失ったように思います。
しかし染色から壁画を経て変容していく紅型壁画の中には、古典模様の様式と技術、作者の内面に残る染色的な行為が内包されており、鑑賞者に紅型という伝統工芸を伝える一端をになっているとも言えます。
本作はそれを壁面から切り出すことで変容していく紅型の様をアートとして鑑賞する、という試み的な作品であるといえます。
※こちらの作品は本染め紅型では無くステンシルアートになります。
大きさ/W1000mm×H700mm×D40mm
素材/スプレー塗料、合板ベニヤ
技法/ステンシル
付属品/作品専用外箱ウレタン製クッション付き、作品証明書